日本人のワイン 2016 9 11
書名 ワインが楽しく飲める本
著者 原子 嘉継(監修) PHP文庫
時々、何人かの知人から聞かれることがあります。
「甘くて、おいしい赤ワインはないか」と。
しかしながら、理屈の上では、
ブドウの糖分が発酵してアルコールになるので、
「甘いワインは、あり得ない」と思いました。
日本では、ブドウを果物として食べる機会が多いので、
ブドウから作られるワインも甘いという先入観があるのでしょう。
そういう先入観を持った人たちが、
フルボディのフランスワインを飲んでしまうと、
ちょっと驚くかもしれません。
そういわけで、日本では、ワイン消費量が少ないかもしれません。
日本人の年間ワイン消費量は、一人当たり2.4リットルだそうです。
つまり、1年に3.2本。
これでは、ほとんどの日本人は、
ボージョレ・ヌーヴォーとクリスマスのワインを飲む程度と言えるでしょう。
(山本昭彦著 「おつまみワイン100本勝負」)
さて、甘くて、おいしい赤ワインはないか。
「ワインが楽しく飲める本」を読むと、
「ポートワイン」のことが書いてあります。
ポートワインとは、「発酵の途中で、
アルコール度数が高いブランデーを添加することで発酵を止めるので、
自然な甘みが残る」とあります。
また、ウィキペディアによると、
「ポートワインは一度封を切っても、
通常のワインのように急激な風味の劣化、変化が起こることはなく、
またタンニンの多少によらず長期保存が可能である」とあります。
多くの日本人は、一本のワインを飲み切れず、
残ったワインは、冷蔵庫に保管するという場面が多いと思います。
しかし、ワインは、一度封を切ると、
急激な風味の劣化、変化が起こってしまいます。
だからこそ、日本でも、
「ポートワイン」を生産してはどうでしょうか。
ポートワインは、日本人の嗜好と飲み方にあったワインだと思います。
しかも、地域振興のための新たな産業になると思います。
ただし、ポートワインという名称は商標なので、
サントリーが作った時は、「赤玉スイートワイン」という名称にしたそうです。
しかし、「赤玉スイートワイン」では、
このワインの製法や特徴をうまく表現できていないので、
別の名称を考える必要があります。
ところで、この本は、文庫本で小さいので、
ワイン売り場へ行く時、あるいはレストランで、
困った時に、ちょうどよい本だと思います。